墜ちた羽根

「本当あたし達はラッキーだよね、アオ。
ブラッドウィングがいないしね」
「うん、モモ。これであいつもお終いだね」

微かだけどそんな会話が聞こえた。
ブラッドウィングって何?血?羽根?
この子達の会話、意味がよく分からない。
一体何の事?今はどうでも良い、誰か助けて。
こうなるならば、オウヤ君の言う事を守っていれば良かった。
足なんて踏まなければ良かった。

「涼那、お前は本当にバカだな」

オウヤ君が私を馬鹿にする声が聞こえた気がした。
幻聴じゃなければ良いと願った。これで幻聴じゃなくて、
本当に傍にいるのはあまりにも上手く行きすぎているから。
休まずに逃げていると、とある良い隠れ場所があった。
此処なら見付かりにくいだろう。
そう思いそこへ避難した。
案の定、彼らは私を見失ったんじゃないかとその辺りをうろつき始めた。
これからどうしようか。それだけを考えていた。