墜ちた羽根

どれくらい走ったのだろうか。私には分からなかった。
分かったのは、何時もと違うコースである事。
今まで見た事のない景色がそこにあったからだ。
また違う一面が見れたと嬉しくなった。
オウヤ君が気になるけれど、
散歩を中断させられそうだったから気にしないでおこう。
さーて、何処を巡ろうかな。
久々に遠くまで行ってみようかな。そう思っていた矢先だった。

「お姫様見っけ」
「モモ見付けるの早いねー、僕全然見つけられなかったよ」

目の前で楽しそうに遊んでいる2人の子供がいた。
1人は男の子でもう1人は女の子。
不思議な色の髪と瞳。
もしかして狙ってくる人?そんな訳ないか。

「ねえ、お姉ちゃん」

突然女の子の方が話し掛けて来た。
私は戸惑いつつも“何?”と聞き返した。
すると今度は男の子の方が話し掛けて来た。本当に可愛らしい笑顔で。