オウヤ君が無茶をしないようにしたいという気持ちもある。
それでも散歩は譲れない事。
欠かさずにしないと気が済まない。たった3日間だけの事。
だけど3日間何もしないで守られるのは嫌だったし、
散歩をしないのも更に嫌。
体が可笑しくなってしまいそう。
どんな事があっても桜也君は散歩を許してくれないだろう。

「邪魔だ、退け」

突然桜也君が枕を投げた。枕は見事に私に命中した。
力強く投げたらしく、痛みはすぐにはひかなかった。
その行動にひどく驚いた。

「いったいな…何するの?」
「早速“奴”の手下のお出ましだ。お前の体を乗っ取ろうとしていた」
「え?本当に?でもまた来るんじゃない?」
「多分な。だから持ってろ」