墜ちた羽根

「ばーちゃんの飯を無駄にするって事はな、それだけで罪なんだぞ?!」

お兄ちゃん、たまには良い事を言うなあ…感心してしまったよ。
今はそんな場合じゃないけど。
無理矢理口に入れられたオウヤ君は少しむせていた。
突然の事だからそうなるのも無理はない。

「オウヤ君…大丈夫?」
「…無駄にする以前にとっくに俺は」
「な、ばーちゃんの飯は美味いだろ?」
「お兄ちゃん、お風呂空いたから入ってくれば?
おばあちゃんはもう入り終えたと思うし」

2人だけで会話がしたくなって、私はお兄ちゃんを追い出した。
こうしてこの部屋には私とオウヤ君しかいなくなった訳で。
オウヤ君に視線を向ければ、そこには驚く光景があった。
嫌がっていたお粥を食べていたのだった。

「とりあえず食べてやる。あの男に食わされるよりかはマシだ」

何だか可笑しくて笑ってしまった。
微笑ましいというか何と言うか。
オウヤ君は何なんだと言わんばかりの表情で見つめている。
一言謝って、本題に入った。