墜ちた羽根

「まあ、走って?
それは大変でしたでしょうに…ゆっくりして下さいな」
「おばあちゃんは何暢気な事言っているの?!」

本当におばあちゃんはのんびりしすぎている。
お兄ちゃんは唖然としている。無理もない。
私だって信じられずにいるのだから。
ふとオウヤ君と目が合った。睨んでいる。
その瞬間、オウヤ君はその場に倒れこんだ。
そうなるよなぁ、走って来たんだから…じゃなくて。

「おい、しっかりしろっ」
「おばあちゃん救急箱救急箱」
「はいはい」

まだ帰ってきて間もないというのに、
我が家では大騒ぎになってしまった。
色々な疑問が残る中でオウヤ君を介抱する事になった。
流石にぼんやりしている場合じゃないと思ったのか、
お兄ちゃんも協力してくれた。
おばあちゃんは相変わらずではあったけれども。