恋愛不向きの彼の愛し方

「バカか。俺が帰ったら誰が怜香ちゃん送って行くの?」


「「「は?」」」


私、陸哉、哲也さんの間の抜けた声が見事にハモった。


「俺が送って行くに決まっている。と言うか、怜香とちゃんと話をしたいから帰る」


陸哉が段を降りて私の手を引っ張ると反対側から海斗さんが手を引っ張って動けなくなってしまった。


「海斗、手を放せ」


「だから、お前は馬鹿だって。お前ら帰ったら、そのブスどうするの?俺、相手するのゴメンだぜ。話くらいして帰れよ」


ハァと、陸哉は盛大な溜め息を吐くと、私の頭をポンポンとして、


「少し待ってて」


と、いつもの爽やか笑顔には程遠いぎこちない笑顔を見せた。


「高橋さん。俺、君から告白されたわけじゃないしこんな面前で言うことでもないと思うけど、君とは仕事以外の付き合いをするつもりは全くない。誤解させたのなら、ごめんね」


陸哉は、頭をちょこっと下げた。