恋愛不向きの彼の愛し方

「それは、海斗さんと哲也さんと杏里とお店を移動したからだけど、陸哉は?」


普段見たことのない陸哉の顔。初めて、本気で怒っている。


検討違いなことを言っている自覚はある。でも、自分のことよりも今は、陸哉のことだ。


どうして、私以外の女の子が陸哉の横に平然といるのか。浮気?二股?あの優しい陸哉からは想像つかない。


「え~と、リクさんの知り合い?私、リクさんと、」
「煩い、ちょっと黙ってくれない?」


女の子の声に被せるように陸哉が言うと、女の子は口を尖らせて、結局、カウンターの空席へ座った。


「俺は、その女が相談があるって言うから。怜香は、穴埋めの合コンだったとしても二次会に行くのはおかしいだろ?何で帰らなかった?」


少しだけ怒りを我慢したような陸哉に、ホッとしたのも束の間、アハハと海斗さんは笑い声をあげた。


「海斗、お前、悪趣味だな」


蒼空さんが海斗さんの頭を叩く。