「ちょっとー。あれ、誰?!」


校門のところでロイと別れてから、教室で、みんなに質問攻めにあったのは、言うまでもない。


「新しく来たボディガードなのよ」

とあたしが言うと、


「外国人なのね! 腕が立ちそう~」

「ゴルゴ13なんじゃないの? もしかしたら」

「カッコいい~~。うらやましーー!!」

とめちゃくちゃ、みんなの羨望のまなざし攻撃にあったのだった。


「名前はなんていうの?」

「ロイ。でも、変な人なんだから」

「たとえば?」


親友のミズキが尋ねる。


「たとえば…、食べかけのトーストを持ってくれたりとか」

「はぁあ?」

「へんに人間くさくてね…。ほんとに、ボディガードなの? って聞きたくなるよ」

「いいじゃん~。それ」


ミズキは、楽天的に言った。