シンデレラルーム 702号室

一瞬気になったけど、話していたらやっぱり普通で。

駐輪場に着く頃には、そんなこと気にならなくなっていた。


たくさんの自転車の中から、嶋田くんはチェーンを外して自分の自転車を動かす。



「………」


「…どうしたの?嶋田くん」



自転車に乗らずに、何か少し考えるようにして目線を下げる彼。


やっぱりおかしい…?



あたしは遠慮がちに顔を覗き込むようにして、彼の表情を伺う。



「……嶋田くん?」


「あ…ゴメン、何でもないよ」



パッと顔を上げた彼は、さっきと同じ笑顔を見せた。

だけど、その目は少し切なそうな複雑な色が滲んでいるように見える。