豪快な音を響かせながら、光の粒が儚く散っていく。 夏の風物詩は、澄んだ初秋の夜空も鮮やかに彩る。 「すごーい!ここ特等席だね!なんか触れそうだもん」 夜空に向かって手を伸ばし、子供みたいにはしゃぐ莉子。 「今日ホテルに来たのはこのためだったんだ?」 「そう。よく見えるだろ、ここ。しかも露天風呂入りながら花火見るなんてなかなか出来ないぞ」 「ふふ、たしかに!」 毎年9月の第一土曜日に行われる花火大会。 今日がちょうどその日だ。 去年は都合が悪く見れなくて、莉子が残念がってたからな。