シンデレラルーム 702号室

「…うん、このまま調子が良ければ退院出来るかもしれない」


「よかったな。よく頑張ったよ、お母さんも…ふぅこも」


「──うん…」



瞬哉は優しい笑みを浮かべながらあたしの頭をポンポンと撫でる。


お母さんの病気が良くなっていることは本当に嬉しい。


だけど、手放しで喜べないのは

あたしが仕事を辞められない理由はここにあるから──




あたしのお父さんは、まだあたしが幼い頃に事故で亡くなって

それからはお母さんが女手一つであたしを育ててくれた。


貧しかったけど、その分お母さんはあたしに愛情をたくさん注いでくれたから…

寂しくなかったし、幸せだった。