シンデレラルーム 702号室

こんな所で女と珈琲を飲むなんていつぶりだろうか…

なんだか不思議な気分だな。


そんなことを思いながら、俺達はしばらく他愛ない世間話をしていた。



「あれからどうだ?」



だいぶ打ち解けたところで、俺はやんわりと尋ねてみた。


すると、詩織の表情は一気に影を落とし、それまでの笑顔は束の間のものだったのだと気付く。



「…加川さんの言う通りにしてます。あの女の人のことには触れずに、普通に」


カチャリと静かにコーヒーカップを置いて、その揺れる液体をぼんやり見つめる。



「でも…待つだけっていうのも、簡単だけど辛いですね」


そして、悲しげにふっと笑った。