「出ろ」
昼前に、じぃさんの部屋の前で、そう言う声が聞こえてきた。
…時間だ!
俺の心臓も、早鐘を打つ。
部屋の外に出たじぃさんは、すぐに歩き出さず、何か言っているようだった。
俺の部屋からは、何も見えない。
じぃさんの部屋は、俺の部屋よりも、階段に近い方にある。
だから、じぃさんはそのまま歩き去っていってしまう筈だった。
だが。
「さようなら、だ」
俺の部屋の前に、両手を縛られ、足を繋がれたじぃさんが歩いてきた。
俺に、挨拶しに来たってワケか。
俺はじぃさんに笑いかけると、
「二日後に逢おう」
と言った。
それが、じぃさんの最初で最期の姿だった。
昼前に、じぃさんの部屋の前で、そう言う声が聞こえてきた。
…時間だ!
俺の心臓も、早鐘を打つ。
部屋の外に出たじぃさんは、すぐに歩き出さず、何か言っているようだった。
俺の部屋からは、何も見えない。
じぃさんの部屋は、俺の部屋よりも、階段に近い方にある。
だから、じぃさんはそのまま歩き去っていってしまう筈だった。
だが。
「さようなら、だ」
俺の部屋の前に、両手を縛られ、足を繋がれたじぃさんが歩いてきた。
俺に、挨拶しに来たってワケか。
俺はじぃさんに笑いかけると、
「二日後に逢おう」
と言った。
それが、じぃさんの最初で最期の姿だった。



