家に帰ると、台所の机の上に、プリクラが見えるようにさりげなく携帯を置く。
実際、さりげなかったかどうかは、この際問題じゃない。
案の定、兄さんが食いついた。
「お、伶、これおまえの彼女? かわいいじゃん!」
うんうん、セオリー通りの反応だね。
ありがと、兄さん!
「え、伶ちゃんの彼女? 見せて見せて!」
母さんまで台所からすっとんできた。
「あら、伶ちゃんも写真映りいいわね。彼女もかわいいじゃない。名前、なんて言うの?」
僕の写真映りまでチェックするとは、さすが母さん。
「大木みくるって言うんだ」
「みくる……? どんな漢字? 未来って書くの?」
「違うよ、ひらがなで、みくる…」
……あれ?
「そうなの、名前も可愛いわね。いいわね、女の子は」
母さんの相づちは耳に入らなかった。
…ミクル。
未来って書くの、かな?
…ミライ。
なんで、みくるちゃんの名前を呼ぶ時みたいに、愛おしくなるんだろう?
…ミ・ラ・イ……
実際、さりげなかったかどうかは、この際問題じゃない。
案の定、兄さんが食いついた。
「お、伶、これおまえの彼女? かわいいじゃん!」
うんうん、セオリー通りの反応だね。
ありがと、兄さん!
「え、伶ちゃんの彼女? 見せて見せて!」
母さんまで台所からすっとんできた。
「あら、伶ちゃんも写真映りいいわね。彼女もかわいいじゃない。名前、なんて言うの?」
僕の写真映りまでチェックするとは、さすが母さん。
「大木みくるって言うんだ」
「みくる……? どんな漢字? 未来って書くの?」
「違うよ、ひらがなで、みくる…」
……あれ?
「そうなの、名前も可愛いわね。いいわね、女の子は」
母さんの相づちは耳に入らなかった。
…ミクル。
未来って書くの、かな?
…ミライ。
なんで、みくるちゃんの名前を呼ぶ時みたいに、愛おしくなるんだろう?
…ミ・ラ・イ……



