想像してみる。

両手を縛られ、足を繋がれて部屋を出る。
両脇を抱えられるようにして、長い廊下をすすみ、その『部屋』につく。
入り口を入ると、目の前に続く道と、その先には階段。

十三段の階段。

そして、そのてっぺんを見上げると、絞首台がそびえ立つ。

そこで、脇を抱えていた看守が離れ、俺は独りで階段の下に立つ。

そして、一歩ずつ、その階段を登る。

最初は足元を見る。
次第に前を見る。
最後には、上を見上げて登っていく。

丸く輪になったロープの先が目にはいる。

俺は、階段の頂上にまで登りつめ、絞首台と向き合うのだ。


………その時、俺は何を思うのだろう。

どんな恐怖を感じるのだろう…………