次の日。 時計を見ると、時刻は朝。 その上に表示されている、日付。 8月21日。 ……あ、夢か。 変な夢を見たな。 だけど安心していると、 隣から小さな声が聞こえてきた。 「にゃー」 「…………一紗?」 「にゃあ」 隣に居たのは、彼女でも彼でもなく、 蜂蜜色の毛と瞳を持った、小さな猫だった。 名前を呼んだら返事が返って来てしまい、 それじゃあまさか、本当に一紗なのか。 昨日の言葉は本気だったのかと、 俺は頭を抱えてしまった。