「その汚い手で美嘉に触ってんじゃねーよ!」 聞き慣れた声にあたしは振り向いた。 ――っ?! いいの…?周りにたくさん人がいるんだよ?? 王子を演じてたんでしょ? 「お前、聞こえてねぇのか?早く離せって言ってんだよ!!」 真生の言葉遣いに周りの人達が驚いた。 「あれって王子だよね…?」 「なんかいつもと違うよね」 「演技とか…?」 周りの人達から口々に違う言葉が出てきた。