飽きてきたのか泳ぐ組の奏汰と真が帰ってきた。
「十夜ずっと影にいたの?」
「まさか泳げないとかー?」
真と奏汰はジュースを飲む。
てか奏汰うざい。
顔がうざい。
「人並みには泳げるけど泳ぐ意味がわからない」
泳ぐ必要があるのか。
泳ぐのなんて学校の授業でも泳がないのに。
そう言うと奏汰は
「十夜くん冷たーい」
とか言って城作り組の方に行った。
十夜くんって呼ぶな気持ち悪い。
「楽しくないの?」
隣に座る真が口を開く。
「いや、俺の目的はバーベキューだから」
「十夜らしいよ」
真とこうやって話すのも久しぶりだ。
幼稚園の頃はずっと一緒だったな。
昔もちょっと男っぽくて、活発で。
俺とは正反対と言ってもいいほど違った。
俺が女っぽいとかじゃなくて。
真と昔話に花を咲かせていると、城作り組が帰ってきた。
「もう僕等ん家来る?」
携帯の表示を見ると4時だった。
海から双子の家までは歩いた。
何気に近い。
海と学校は近いから双子の家は学校にも近いのか。
俺の家も近いけど。