「じゃあ、俺の傘入りや」笑顔で話す三吉くん。 「えっ…でも…」 「いいよ。楽器濡れたらあかんねんやろ?」そう言いながら腕の中に抱えているクラリネットを指差す。 「うん」恥ずかしくなって目線を下に向けてしまう。 「あ、でもこれ止むなー」お願いしようと思ったら三吉くんが再び話し出す。 私はパッと上を見上げる。雲がだんだん横にそれて、雨もポツポツと弱くなった。 最悪や……。ついさっきまでは止んでほしいと思ってたのに。いいタイミングで止んでしまう雨に腹が立つ。