光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「悩みあるなら、相談ぐらい乗るけど?
俺も色々、麻木には聞いてもらってるし」




そう言った伸一の表情は、明日美と流歌と一緒だった。



親身になってあたしの事情を受け入れてくれて、それをどうやって乗り越えようかと一緒に考えてくれる。



……そんな親友と同じ瞳で、伸一はあたしの心に手を差し出してくれていた。




頼りたい。相談したい。


事情を教えてある人は少ないから、頼ることが出来る人はとても貴重だ。



でも好きな人である伸一に心をすべて晒してしまうと、彼への想いまで漏らしてしまいそうで。


なんだかとても……怖い。




「言いたくなかったら、無理して言わなくてもいいよ。
人に言えない悩みなら、仕方のないことだし」


「……聞いてくれるの?」


「もちろん。どんな話でも聞くぜ?」




……だけど、少し切なげに笑った伸一を見たら、急に話したいとも思った。



きっと、あのことを思い出したからだ。



小春ちゃんが自分を頼ってくれない寂しさを、紛らすように話した伸一のことを。



相談するのも勇気がいる。


だけどきっと、手を差し出す方も勇気がいるんだ。



人の悩みを請け負うのは、想像以上に大変だから。