光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「明日美は?」


「あたしはまだ学校はどこにしようか迷ってるけど、希望は介護の仕事に就きたいなって思ってる。
あたし小さい頃からおじいちゃんとおばあちゃんと暮らしてるから、お年寄りの人と関わるのが結構好きでさ。
介護とか大変そうだなって思うけど、お年寄りの人を支えていきたいって思うんだ」




明日美からはよく、おじいちゃんとおばあちゃんの話を聞くことがあった。



休日には二人の畑仕事を手伝っているらしい。



両親だけでなく祖父母からも愛情を与えられて育った明日美は、人のことを気遣えるとても温かみのある子だと思う。



だから明日美には、きっと介護の仕事が務まるはずだ。



二人とも自分の性格に合った仕事を目指しているのには少し驚いたけれど、それは意外と当たり前のことなのかもしれない。



性格に合う仕事じゃなければ、きっと興味を持つことすらないと思うから。




「二人ともすごく素敵な目標があるんだね。明日美も流歌も、すごくその職業にぴったりだと思うよ!あたし応援してるから、みんなで夢を叶えようね!」


「うん!もちろんだよ!」


「みんなで一緒に頑張ろうね!」




3人で小指を絡めて、屈託のない約束の指切りをする。



3人でする指切りは上手く小指が絡まらなくて不格好だったけど、そこに託した思いはどんなものよりも輝いていて強く結ばれている気がした。



二人はいつだってあたしの夢を応援してくれている。


だから、あたしも頑張れる。



二人がそんな勇気をくれたように、あたしも二人の夢を応援してるからね――。