光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「志望校かー。そういえばあたし達、そういう話はしたことなかったよね」


「確かにそうだよね。佐奈の夢は聞いたことあったけど」


「うん、そう。だからね、あたしも二人の夢とか聞きたいなーって思うんだけど、いいかな?」


「「もちろん!いいに決まってるよ」」




二人は声を揃えて了解してくれた。



あたしはいつも、二人に応援して助けてもらってばかりいるから。


……今度はあたしが、二人の夢を応援していきたいな。



最初に話してくれたのは流歌だった。




「あたしはねー、小学校の先生になりたいんだ。子供が好きだし、面倒見るのも好きだからやってみたいなーって思ってるの」




照れくさそうに夢を語る流歌は、なんだかとても可愛らしかった。



あたしにも優しく接してくれて頼りになる流歌だから、きっと先生に向いてると思う。




「高校はどこにするの?」


「迷ってるけど…。一応、爽守高校にしようかなって思ってる。あそこ、教育学部がある大学への進学率が高いから」




……爽守高校か。


お母さんによくそこを勧められたことを思い出す。



あたしもピアノと出会うことなく流歌みたいな夢を抱いていたら、きっと流歌と同じことを考えていただろうな。