作曲はハミングでなら、このノートの詩に合わせたりしてしたことがある。
だけど何度考えても、それらの曲が入試に適応するのかは分からなかった。
「…弾いてみようかな」
ふと、ノートから目の前のピアノに目を移す。
よくよく考えるといつも分からないと思うだけで、作曲した曲を弾いたことはほとんどない。
唯一あると言えば、たった一度だけ。
初めてみんなの前でピアノを弾いたときだけだ。
あの時はただ、ピアノを弾けることが嬉しくて。
以前にハミングで作曲した曲が、自然と指先を伝ってメロディーを奏でていたんだ。
……よし。
何事も挑戦だよね。
もう一度あの時みたいに弾いてみたら、何か参考になるかもしれない。
あたしはノートを適当に開いてピアノに置き、ピアノと再び向き合う。
そして開いたページに書かれている詩を見ながら、この詩に合わせて作った曲を頭の中に浮かべた。
……大丈夫。
きっとピアノでも弾けるはず。
あたしはハミングだけでリズムを確認してから、ゆっくりと鍵盤に指を滑らした。
心の奥に秘めていたものを形にした詩も、メロディーに合わせて口ずさみながら……。



