光を背負う、僕ら。―第2楽章―




落ち着かない空気が漂う中で思わず立ち止まっていると、小春ちゃんが自分の下駄箱の前に向かいながら言った。



「……伸一、佐奈ちゃんのこと待ってたんでしょう?」


「えっ、」




伸一の表情が固まる。

どうやら図星だったらしい。



だけどそれはそれであたしが余計に気まずくなるだけで、恥ずかしさを誤魔化すようにあたしも下駄箱に靴を取りに行った。


そのあとに明日美と流歌も続く。




「どうせ伸一のことだから、佐奈ちゃんの入試結果が気になって待ってたんでしょう?」


「おまえ、何でそれを……!」




靴を履き替えた小春ちゃんがにこりと笑って言ったことに、伸一は焦ったように狼狽える。



誤魔化さないところを見ると、どうやらまたまた図星だったらしい。



嘘をつけずにいる伸一に対して、小春ちゃんはあっけらかんと言い放った。




「一応これでも元カノだもん。それぐらいさすがに分かるよ」


「小春……」




付き合っていた頃のことを思い出したのか、小春ちゃんはちょっとだけ切なそうに微笑む。



伸一は気まずそうにそんな小春ちゃんを見つめていて、とっくに靴を履き替えていたあたしの胸がぎゅっと締め付けられた。



言葉なんて交わさなくても相手の気持ちが分かる。


それは、二人が長い間付き合っていた証拠だろう。



伸一は何も言わずにいたけど、きっと分かっているんだと思う。



吹っ切ったように笑う、小春ちゃんの心境が……。