光を背負う、僕ら。―第2楽章―




……良かった。

本当に良かった。



回り道ばかりして歩んできた夢への旅路。


嬉しいことよりも苦しいことの方が多かった気もするけれど、ピアノを愛する気持ちを信じて頑張ってきて良かった。



犠牲にした時間がある一方で、こうやって喜んでくれる友達に出会えたんだもん。



うじうじ悩んで行き詰まっているあたしの背中を押してくれたみんなは、あたしの大切な光だよ。



ときに温かくて、ときに厳しくて、でもいつだって優しいみんなの光。



今度はあたしが、明日美と流歌から良い結果を聞ける日を願って待っているよ……。






◇◆◇◆◇




「ねぇ、もしかしてあれって……」




4人でさんざん喜びあったあと昇降口に向かうと、下駄箱にもたれかかっている人がいた。



最初にその存在に気付いた明日美の声に導かれて姿をはっきりと捕らえると、胸がドキッと大袈裟な音を立てた。




「……よう」




あたし達が昇降口に着いたことに気付いた伸一は、軽く手を上げてそう言った。



視線があたしと小春ちゃんの間を行き来している。



伸一、どうしてこんなところに……。



もうとっくに帰ったと思っていたから、予想外の遭遇に嬉しくなる。



でも隣には小春ちゃんがいるから、気まずさと切なさがごちゃ混ぜになった。



思えば二人が別れてからこうやって顔を合わせるのは、初めてのことかもしれない。



気まずいのは伸一も同じみたいで、視線がさっきから定まらなかった。