光を背負う、僕ら。―第2楽章―




小春ちゃんの言葉を頭の中で反芻しながら物思いにふけていると、あっという間に6時間目の授業が終わっていた。



そしてそれ以上に早く終わったショートホームルーム。


その最後の号令で礼をしたあと、あたしはとんでもないチャンスを先生の手によって投げかけられることになる。




「ちょっと、佐藤と麻木は残ってくれるか?二人に頼みたいことがある」




一気に放課後の解放ムードが漂う教室で、先生にそう呼び止められた。



伸一と一緒に呼ばれるなんて、一体なんだろう……。

初めての経験に戸惑う。



おまけに先生が言う頼みごとっていうのは、大抵がろくなことではないか面倒なことに決まっている。



でも今は少しだけ良いことのように思えて、人込みを避けて先生がいる教壇に向かった。


ちょうど同じタイミングで伸一も辿り着く。




「お、揃ったな。急で悪いんだけど、卒業アルバムのクラスページに乗せる写真選びを手伝ってほしいんだ。室長と副室長の二人に」




淡々とそう言った先生の言葉で、自分が副室長だったことを久しぶりに思い出した。



そういえば後期の役員決めのときに明日美に推薦されて、成り行きで選ばれてしまったんだっけ。



伸一が室長に立候補したのを見て明日美はあたしを推薦したから、あれは完全に企んでやったことに違いない。



……まぁ、別に良いのだけれど。


副室長と言っても、今の今まで役職を忘れるほど特に大した仕事もなったぐらいだし。



むしろこうやって伸一と一緒に仕事をする機会がやって来たのだから、ここは感謝するべきなのかもしれない。