光を背負う、僕ら。―第2楽章―




だけどそんな俯いた頭に、焦ったように優しい声が降りかかる。




「ちっ、違うよ!佐奈ちゃんのせいじゃないの」


「でも、おとといのこともあるし……」


「ううん、関係ないよ。あたし達本当は……半月ぐらい前にすでに別れてたから」


「……えっ!?」




まだ半分ほど下がっていた視線が一気に上に上がった。



目をぱちくりさせながら、遠慮がちに笑う小春ちゃんを見る。




「それ、本当なの……?」


「うん、本当だよ。別れる前からすでに、伸一とはギクシャクしててね。いつ別れてもおかしくない状況だった。そうして半月ぐらい前にその時が来て、別れたってだけなの」


「そんな……。別れたこと、全然気付かなかった。それに小春ちゃん、この前まで佐藤君と付き合ってるみたいだったよ……。一緒に帰るところも見かけたことあるし」


「気付かなくて当然だよ。あたし誰にも話さなかったし、“別れたことはまだ内緒にして”って、伸一にも頼んだから。別れてすぐの気持ちの整理が出来てないときに、今日みたいにみんなに色々聞かれるのはさすがにつらいでしょう?……だから内緒にしてたの。内緒にするためにね、“出来るだけ別れる前みたいに接したり帰ったりもして欲しい”って頼んであったんだ」




そこまで喋ってから、小春ちゃんはため息をついて苦笑した。




「……なんて、言うけど。本当は、ただ一緒にいてほしくてそんなこと頼んじゃったのかもしれないね。いつかは別れることを分かってたつもりだけど、ショックだったし」




そう言って、またため息をつく。