「えーっと、何から話せばいいのかな……。あたしから伸一に告白したって話はしたっけ?」
「……うん、聞いたよ」
重苦しい空気の中で目線が合う。
あたしも緊張していたけど、小春ちゃんの方がもっと緊張しているみたいだった。
それもそうだね。
だって小春ちゃんにとってとても大切で繊細なことを、話そうとしてくれているのだから。
「……うん、そっか。そうなの。告白したのはあたし。伸一とは中2のときに同じクラスで、一緒に学級委員の仕事をしてた。それで話すきっかけが増えて、一緒にいて楽しい人だなって思ったんだ。そうしたらいつの間にか仲良くなって……あたしが先に好きになったの」
胸がキュッと締まる音がした。
二人の馴れ初めを聞く覚悟は少しはあったけど、いざ聞くと想像よりもダメージが大きい。
二人が付き合う前から仲良くしている姿も見かけたことあったのに……。
小春ちゃんの口から聞く伸一はあたしが知っている伸一とはまた別人のようにさえ感じられて、ただ虚しさだけが募った。
「好きだなーって実感したら、気持ちを伝えずにはいられなかったの。周りの人も“二人とも仲良いから大丈夫だよ”って背中押してくれてね。たぶん、勝手に浮かれてた。仲が良いから大丈夫だって。だから、あたしから告白したの」
そこで小春ちゃんが一息ついて、訪れる一瞬の沈黙。
今までで一番、ピリピリした空気だった。



