光を背負う、僕ら。―第2楽章―




……それに、東條学園の体験入学でも。


あたしに演奏するように勧めてきた。



すっかり口車に乗せられてピアノを演奏したわけだけど、あれも小春ちゃんの細工だったのだろう。



あたしはこうやって幾度となく、小春ちゃんに試されていたんだ。



思い当たった出来事を告げると、小春ちゃんは苦笑して「正解」と言った。




「さすがに気付かれてたよね……。ごめんね、色々試すようなことしちゃって」


「全然いいよ。おかげであたしも、ピアノを弾くきっかけになったし」


「そう言ってくれるなら良かった。こんなことを言うのもあれなんだけど……。もし佐奈ちゃんが体験入学のときに弾いてくれなかったら、そのときは問い詰めようかと思ってた」


「……」


「勝手な考えだけどね。あたしにピアノの楽しさを教えてくれたのに、その本人がやめちゃってるなんて許せなかった。それに初めて会ったコンサートで佐奈ちゃんの演奏を聞いたとき、すごく上手いと思ったの。もっと聞いていたいって思えるピアノだった。だからあたし、佐奈ちゃんのライバルになりたかった。この子に追い付いて、いつか追い越したい。でもまた追い越されて、また追い越すために努力したい。そうやってお互いを高め合う関係になりたかったの」




熱の籠もった瞳で見つめられる。


それはピアノに真剣に向き合う者の証で、あたしの胸の中にある熱いものに火がつけられる。