光を背負う、僕ら。―第2楽章―




小春ちゃんを始め、吹奏楽部のメンバーにはあたしのお母さんのことを話してある。



あれはまだ強い日差しが照りつける8月のことだったけど、思い出そうとすると懐かしい気持ちになった。


時の流れはいつも、人を寂しくさせるみたい。




「中学生になって再会してからは、まだそのことを佐奈ちゃんから聞いてなかったでしょう?だからあたし、自分で確かめようと思って。佐奈ちゃんの口からピアノの話が出るようにとか、ピアノを弾かせるように細工したことあるんだけど、気付かなかった?」




小春ちゃんは平然とそんなことを言うものだから、目を丸くして驚いてしまう。



いつの間にか手を打っているというその上手さはどこか真藤くんと似ていて、感心してしまった。



……だけどあたしだって、ピアノに関することにはさすがに鈍くない。




「……なんとなくは、気付いてたよ」




小春ちゃんが言っていること。多少思い当たることはあった。



今思えば小春ちゃんは、やけにあたしとピアノを結び付かせることがあった。


そしていつもそれは小さな違和感を宿していたから、覚えているんだ。



……あたしが小春ちゃんの前で初めてピアノを弾いた日のこと。


あのとき小春ちゃんは、わざわざあたしに自分の演奏の感想を求めてきた。


周りには他にも吹奏楽部のメンバーがいたのに、あえてあたしに。