光を背負う、僕ら。―第2楽章―




小春ちゃんがあたしを羨ましいと言った理由が、少しだけ分かった気がする。



あたしが羨ましいと思っていた、ピアノを弾ける環境。

でもそんな環境の中で、悩んでいる小春ちゃんがいた。


ピアニストの娘として世間が小春ちゃんを注目するたびに、伸し掛かる期待も大きくなっていく。


それは最近の小春ちゃんを見ていても、相当ダメージがあると分かるぐらいだ。



今でこそ小春ちゃんはコンクールでも優勝するなど実力が期待を越えているかもしれないけど、幼い頃には期待に追い付くために苦労していたに違いない。



それは想像するだけでは、きっと感じられないプレッシャー。



ピアノから離れていた期間があるあたしは、同じピアニストの娘でもそのプレッシャーを感じてピアノを弾いたことはない。



そうやって無邪気にピアノが好きという気持ちだけを抱いていたあたしは、確かに小春ちゃんからすれば羨ましいのかもしれない。



……上手くいかないもんだね。


二人ともお互いにはあって、自分にないものばかり羨ましがっていたのだから。