光を背負う、僕ら。―第2楽章―




あたし、そんな風に思ってピアノ弾いてたのか。


そういえばまだ自由にピアノを弾けていた頃は、楽しくてしょうがなかった気もする。



だけどそれは自分自身の勝手な感情で、まさかそれが誰か、ましてや小春ちゃんに伝えているとは思わなかった。



しかも大したことは言っていないのに、何だか影響を与えているみたいだし……。




「あたし、プレッシャー感じてたの。ピアニストの娘だから、その期待に応えなきゃいけないって。だからお母さんと同じように弾かなきゃいけないと思ってた。でもお母さんみたいに弾こうとしても全然弾けないし、真似しようとすればするほど上手くなれなくて、どんどんピアノが楽しくなくなった。……そう感じてたから、佐奈ちゃんの言葉はすごく嬉しかったんだよ。『自分らしく弾けたらすごく嬉しい』って言う佐奈ちゃんに、『あなたも自分らしく弾いたら良いんだよ』って言われた気がしたから」




小春ちゃんは真っ直ぐ前を向いた表情で、嬉しそうにそう言った。



あたしの些細な言葉でも、ピアノが嫌いだった彼女にこうやって変化を与えたのだとしたら、それはすごく嬉しいことだ。