光を背負う、僕ら。―第2楽章―




懐かしいな……。

この写真を見るまですっかり忘れたけど、この小さな小春ちゃんと同じような時期があたしにもあったんだ。



でも小春ちゃん、どうしてこの写真をあたしに……?



写真を見てすっかり思い出に浸かっていたけど、思えば小春ちゃんの行動は引っ掛かる。



黙り込んで写真の笑顔を見つめていると、小春ちゃんが寂しげな声で話し始めた。




「あたし、この頃が一番ピアノが嫌いだった。でもこのコンサートである人に会って、その気持ちが変わったの」


「ある人……?」




顔を幼い小春ちゃんから中学生の小春ちゃんへ向ける。



あどけない笑顔の面影が残る表情で、小春ちゃんもあたしを見ていた。




「覚えてない?あたしにピアノの楽しさを教えてくれたのは佐奈ちゃんなんだよ」


「えっ、あたし?」


「うん。このコンサートで初めて会ったの。ほら、写真もあるよ」




ページが捲られるアルバム。


そこには確かに、あたしも写っている写真があった。



小春ちゃんと並んで遠慮がちにピースをして、下手くそな笑顔をこちらに向けている。



着ている鮮やかな水色のワンピースは、お気に入りだったからよく覚えている。



だけどこのときに小春ちゃんに出会ったこと、そしてこうやって写真まで撮っていることは残念ながら記憶になかった。