光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「佐奈ちゃんは、本当にピアノが好きなんだね。見てると羨ましいぐらい、ピアノが好きな気持ちが伝わってくるもん」


「……そうかな?」




自分ではちっとも分からない。


ピアノが好きな気持ちは確かだけど、人が見て分かってしまうぐらい気持ちが滲み出してるってことかな?



伸一への気持ちもばれちゃってるし、あたしって感情が顔に出やすいのかも……。



無意識のうちに感情が人に知られているなんて、なんだか自分が恐ろしいよ。



……なんて考えを巡らせている間も感情は顔に出ていたらしく、「佐奈ちゃんは素直だね」とまた小さく笑われてしまった。


恥ずかしさで身体が縮む。




「そういう真っ直ぐな気持ちでピアノに向き合えるところ、昔から羨ましかったよ」


「昔から……?」




昔って、いつなんだろう。

過去を語れるほどまだ生きてないから、昔と言える期間がいつなのかよく分からない。



疑問に首を傾げると、突如小春ちゃんが立ち上がった。



そして本棚から分厚い本を取り出すと、それをカーペットの上に広げた。