「…ごめんなさい」
「佐奈ちゃん…?」
「あたし、小春ちゃんに悪いことした。傷つけるようなことばかりしちゃったの」
拳も声も、震えっぱなし。
目の奥からは熱いものが込み上げてくる。
だけどあたしは、ちゃんと言わなくちゃいけないんだ。
たとえ二人が別れた理由があたしじゃないと言われたとしても、これはあたしがつけなきゃいけないけじめだと思うの。
すべての真実を話すことが、小春ちゃんを悲しませたあたしの償いだと思うから……。
大きく息を吸って呼吸を整えると、少しだけ話す勇気が出たような気がする。
だから真っ直ぐ小春ちゃんの目を見て、おとといの出来事を話した。
最後まで悩んだけど、放課後に旧音楽室でピアノの練習をしているときに伸一がいたことも話した。
それにあと……告白してすでにフラれていることも。
あたしが伸一と話すきっかけになった出来事を説明しないと分からないと思ったし、やっぱりおとといのことだけは変に誤解して欲しくないと思ったんだ。
伸一は別に浮気していたわけじゃないし、あたしも無理矢理迫っていたわけじゃないんだってことだけは分かって欲しかった。
勝手なわがままかもしれないけれど……。



