光を背負う、僕ら。―第2楽章―




小春ちゃんも腰を下ろしてから、しばらく沈黙が続いた。



とりあえずココアが冷めないうちに口に含むものの、ビスケットにまで手を出せるような雰囲気ではなかった。



小春ちゃんもマグカップを両手で持ちながらココアを飲んでいる。



だけどマグカップをテーブルに置き、先に口火を切ったのは小春ちゃんだった。




「……あたし、伸一と別れたんだ」




あまりにも何の脈絡もなく核心に触れてくるので、思わずマグカップから手が滑りそうになった。



だけど考えると今さら前置きがいらないことぐらい、お互いに承知している。



ここで本題を焦らすことが時間の無駄であることは、さすがにあたしにも分かった。



小春ちゃんの決意した目をしっかりと見て頷き、マグカップをテーブルに置いて言葉の続きを待った。




「今日学校で、別れたことが噂になってたでしょう?あれ、あたしが広めたの。……佐奈ちゃんの、反応が見たかったから」


「……えっ…?」




意外な事実に拍子抜けして、間抜けな顔をしてしまう。



朝からいきなり広まってたことにも驚いたけど、今はそれが小春ちゃんの思惑だったということの方が驚きだ。



しかもそれが、あたしの反応を見るため……?