「……はぁ」
諦めの気持ちから、ついついため息が声になって出る。
おまけに明日美と流歌がトイレに行っていて、今は一人ぼっち。
こういう休み時間ほどつまらないものはない。
仕方なく席に座ったまま、教室の黒板の方に目を向ける。
そしてもう一度、ため息をついたとき。
男子の輪の隙間から見えた伸一と、見事に目が合ってしまった。
えっ……。
伸一と目が合ったのはほんの一瞬の出来事。
だけどみんなに囲まれて不機嫌顔だった伸一が、あたしと目が合ったときだけ穏やかに笑ったのが見えた。
何なの、今の……。
突然の出来事に鼓動が早まる。
でも伸一は再び顔をしかめてみんなの質問に答えているから、またもや真意が分からない。
だけど笑ったように見えたのは間違いなんかじゃなくて、その表情にあたしがドキドキしているのも確かだった。
……ずるいよ、伸一。
こんなの、あり得もしないこと期待しちゃうじゃん。
あの二人はまだ別れたばかりで不謹慎かもしれないけど、思わずそんなことを思ってしまった。



