光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「明日美の怒った顔、相当ひどかったんだろうなぁ」




二人の会話につられて笑うと、そこからはもう笑いのオンパレードで。


明日美の怒った顔を再現する流歌の表情がそれこそ般若みたいだったから、恐怖というよりも笑いのツボにはまってしまう。



そしてそうやって3人でケラケラと笑っているうちに、チャイムが鳴ってしまった。



おかげで二人にさっきまでの出来事を話すタイミングを失ってしまい、「またあとで」とお互い目を合わせながら自席に着く。



登校してきた時から持ったままだった鞄を机の横に掛けて腰を下ろすと、ものすごい脱力感に襲われた。



小さくついたため息が、ガタガタと引きずられる椅子の音の中に消える。



みんながそれほど急ぐわけでもない感じで各々の席に着く、騒がしい教室。


間もなくして担任の先生が教室に入ってきて、淡々と始まるホームルーム。


いつもと変わらない朝。



それなのにこんなにも疲れているのは、やっぱり朝から色々なことが起こったせいだ。



おまけに全部、精神的に疲れることばかり。



……こんな感じで、6時限目までもつのかな。



放課後までの時間を考えると、気が遠くなりそうだ。