光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「岡田さん達に何もされなかった!?大丈夫!?」




明日美はあたしの肩に手を置いたまま身体中を見回す。



流歌なんておろおろした様子で背後まで確認している。



そんな大袈裟な二人が面白くて、一瞬だけどクスッと笑ってしまった。



だけどそれだけ二人が心配してくれていたんだと思うと、優しさが胸に沁みて少しだけ泣きそうになった。




「大丈夫だよ二人とも。あたし、何もされてないから」


「本当に?」


「本当だよ。二人とも、心配してくれてありがとう」




そう言うとさすがに納得したらしい二人は、あたしと同じで泣きそうだった表情をほっとした様子で明るくさせた。




「良かった~、本当に何もされてなくて!」


「そうだよ。岡田さん達だけが先に教室に帰って来たときは顔が真っ青になったんだからね!
おまけにあたしと目が合ったらあの3人、なんかそそくさと逃げて教室から出て行っちゃうしさー」


「明日美ってば、いかにも殴り掛かりそうな勢いの怖い顔で岡田さん達のこと見てたもんね」


「えー?そんな怖い顔してた?」


「してたよー。般若みたいだった」




緊張が解けてクスクスと笑いながら話す二人。


だけどとても心配をかけていたことは、二人の会話から十分に感じ取ることが出来た。



お礼なんて、何度言っても足りないだろう。