光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「……うん。俺も、ありがとう」




俯いている真藤君の声はか細くて、風の音にさえのまれてしまいそうだった。



だけど、ちゃんとあたしの耳には届いたよ。




「……さよなら」




小さく呟いて、自ら握手している手を離した。



ぬくもりを失って空気に触れる手が無性に寂しい。



真藤君と離れることで抱く感情は、想像以上に切なくてつらいものだった。



……あたし、真藤君に甘えてすぎてたね。



悩んで迷う度に、真藤君なら答えに導いてくれると思ってた。



だけどそれも、真藤君には重荷になっていたのかもしれない。



いっぱい助けてくれて、本当にありがとう。



そして知らない間に、たくさん傷付けてごめんね。



……絶対に、忘れないよ。

こんなにもあたしのことを想ってくれていた、優しい真藤君のこと。




「さよなら、麻木」




真藤君も決心したように、その言葉を口にした。



瞳が潤んでいるみたいで、あたしもつられそうになる。

鼻の奥がつんと痛くなった。




「……教室行こうか」




真藤君は静かに目を伏せて静止したあと、いつもの声のトーンでそう言った。