光を背負う、僕ら。―第2楽章―




小さく深呼吸をして、一度強く唇を噛み締めた。

それから覚悟を決めて瞼を上げて、真藤君の目を見る。



もう迷いはなかったけど、泣きそうな顔をしている真藤君を見たら胸が熱くなった。




「今まで、たくさん助けてくれてありがとう。あたし、真藤君の優しさに何度も救われたよ。だから短い間だったけど、真藤君と仲良くなれて嬉しかった。
それから、こんなあたしを好きになってくれてありがとう。気持ちには応えられなかったけど、本当に嬉しかったよ」




震える唇が紡ぎ出す言葉は、なんだか泣いているみたいだった。



でも真藤君が泣いてないのに、あたしが泣けるわけない。



カラカラに渇いた喉を潤すために唾を飲み込んで、一呼吸を入れる。



そして、一番大切なことを言った。




「いっぱい……本当にたくさん、ありがとう。今までのこと、絶対に忘れないよ。……さよなら」




さよなら、と言った時、一粒だけ涙が頬を滑り落ちていった。


早すぎて、跡形さえ残らない涙だった。