「……真藤君、本気なの?」
この握り締めた手を離したら、あたし達はどうなるのだろう。
一緒に勉強したり下校したりする友達ではなくなって、ただのクラスメートに戻るのかな。
言葉を交わすことさえあまりない関係になるの…?
「あぁ、本気だよ」
握手している手に力を込められた。
真藤君の答えは最初から分かってたけど、改めてそう言われると胸が詰まる。
だからこそあたしは、ちゃんと向き合わなくちゃいけない。
どこまでも真っ直ぐな意思を持っている真藤君と。
「……分かった。ちゃんとお別れしよう」
別に友達をやめる必要なんてないのかもしれない。
だけどそうすることであたしも真藤君も前に進めるのだとしたら、あたしからこの手を離さなくちゃいけないんだ。
荷物を置いていくのは、それが邪魔で必要なくなったからじゃない。
自分が成長したから、もうその荷物に頼らなくても大丈夫になったっていう証なんだ。
瞼を閉じて、ぎゅっと手に力を込める。
そうすると、切ないほどに真藤君の優しさを思い出した。



