光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「あたしが、好きなのは……」




声が震える。

自分の身体が自分のものじゃないみたいに冷たい。
だけど反対に、心は熱く沸騰している。



……いつだって、そうだった。


ドキドキしたり、悲しくなったり。嬉しくなったり、切なくなったり。



そういう恋の特別な感情を教えてくれたのは、いつだって……。




――『俺、おまえのピアノ好きだけどな』


――『俺が麻木のファン第1号になって、ずっと応援してるから!』




あたしのピアノを、好きだと言ってくれて……。




――『きっと、麻木の好きな人は幸せだな!』


――『麻木みたいな優しい人に想ってもらえるなんて、本当に嬉しくて幸せだって思えたんだ』




あたしの気持ちに、最後まで優しく答えてくれて……。




――『麻木、ごめんな……』




だけど、本当の気持ちは分からない。


そんな人なの……。




「……っ、諦められる、わけ、ないよ……」




“本当の本音”が、やっとあたしの口から姿を現す。




「佐藤君が、好きなの……。諦めるなんて、出来ないよ……」




決断したなんて言葉は、最初から嘘の鎧に過ぎなかった。



本当の気持ちを抱いたままでいると、自分がどんどん嫌な人になってしまいそうで。

それでずっと、伸一と小春ちゃんの幸せを願おうとした。


だけど。