早く止めろと言わんばかりに鳴り続けるアラームを止めようと、真藤君の腕に手を伸ばした。
だけどそれはブレザーの裾を掠る前に、真藤君によって避けられてしまった。
「……」
「本当は分かってるだろう?
麻木にとって置いていくべき荷物は、伸一への想いじゃない。
……俺に対する優しさだ」
視界がぐらりと歪む。
脳が揺らめく感覚がした。
空中に放り出されたままだった手をゆっくりと下ろす。
真藤君を見ると、泣きそうになっているのを苦笑いをして誤魔化しているみたいだった。
たぶんあたしも、似たような顔をしてる。
「麻木にフラれて、それでも友達でいてほしいと言ったのは俺だ。
……だけど、麻木はそれを受け止めたらいけなかったんだ。まだ伸一のことが好きなのに、俺が傍に居たら明らかに邪魔だろう?」
「そ、そんなことないよ!
あたしが、真藤君と友達でいたいと思ったの。それにもう、佐藤君のことは、いい、から……」
語尾に近付くにつれて、どんどん言葉が弱々しくなる。
それがあたしの……答えだった。



