光を背負う、僕ら。―第2楽章―




「……うん、見たよ。ちゃんと見た」


「そっか。なら、良かった」




伸一としてはあたしが音楽室を留守にしているときに置いてきたと思い込んでいるものだから、メモの行方を心配していたのだろう。



本当に安堵した様子で一息ついている伸一を見たら、ずっと気にかけていたんだって分かる。




「あれ、ありがとう。すごく……嬉しかった」




告白してつらいことの方が多かったけれど、あのメモだけが唯一の救いとなってくれた。



伸一がメモに気持ちを残してくれただけで、あたしはまだ前に進めてる。




「うん。俺も、ありがとう」




伸一までもがお礼を言うなんて、なんだか変なの。


でもそれが、伸一の優しさなんだよね。



久しぶりに伸一の顔を見て笑えた気がした。




「……麻木、お母さんに夢のこと許してもらえたんだよな?」



伸一がペットボトルを両手の中で転がしながら、躊躇いがちにそう聞いてきた。

驚いて、一瞬思考が停止する。




「ど、どうして、そのこと知ってるの?」


「……麻木が友達と話してるのを、たまたま聞いたんだ。特待生が何とかって……」


「あぁ、それで……」




納得した。

きっと明日美と流歌に嬉々と特待生の話を報告しているのを、目撃されてしまったんだ。



あのときは周りのこと、あまり見てなかった気がするし……。