話さないかと持ち出したのは、伸一のほうだ。
だけど伸一はペットボトルのキャップを締めても、前を向いて黙ったまま。
一体、何の話があるんだろう……。
考えてみたって、何も思い付かない。
二人で過ごす放課後の時間も、もう終わってしまった。
あたしが告白したことで、二人の関係は完全に接点を無くしたと言える。
それなのに、もう、話すことなんて……。
「……メモ、見てくれた?」
「…え?」
沈黙だったところに急に言われて、一瞬何の話なのか分からなかった。
横を向くと、不安そうにしている伸一と目が合う。
それでふと、あの日のことかと思い出した。
伸一に告白した次の日。
真藤君と掃除用具のロッカーに隠れたっけ。
伸一に合わせる顔がなくて。
……そうだ、そして、伸一と小春ちゃんがキスしてた。
自分の目で見たわけじゃないけれど、事実は紛れもなく本物。
身体の内側からあらゆる感情が飛び出してきそうになり、缶を握る手に力が入った。



