「……」
教室の一角にいる男子グループを、窓の外を見る振りをして見た。
その中心では、お笑い芸人のモノマネをする友達を見て、伸一が笑っていた。
豪快な笑顔。
今までならそれを見るだけでドキドキして、不思議と幸せな気持ちになれた。
だけど今はときめきがもどかしくて、むしろ辛くなる。
伸一と同じグループには真藤君もいて、時折クスッと笑みを溢していた。
あたしにとっては一気に二人の姿が視界に入るその光景は、辛さをただ倍増させていくだけ。
自分から見ておきながら、深いため息が漏れた。
あたしはあと何回、この辛さに耐えればいいんだろう……。
「……佐奈?」
ハッと我に返ると、二人に顔を覗き込まれていた。
「……何か、気になってるの?」
さっき流歌に聞かれたことを、今度は明日美が繰り返す。
二人があたしの気持ちに寄り添おうとしてくれているのは、痛いほど突き刺さる視線から感じ取った。
……それでも。



