光を背負う、僕ら。―第2楽章―




前を向くと決めた。

叶えたい夢に繋がる道の先だけを、必死に追いかけていくと決めた。



そのためだったら、後ろだって振り向かない。


置いてきた荷物がどうなったかも確認しない。



……それが、あたしが決めたこと。




でも真藤君に言わせたら、ただの「言い訳」って言うのかな?



そうやって真藤君の反応が想像出来てしまうのは、少なからず自分の言っていることが言い訳っぽいって気付いているからだと思う。



だけどそうすることでしかもう、自分の気持ちの行き場を決めることが出来ないの。



あたしは夢と恋の両方を手に入れられるほどの勇気も力も、器用さもないんだよ……。




珍しいことに、真藤君はすぐに反論してこなかった。



いつもならあたしの本音を見抜いて、突っ込んでくるはずなのに。



そう思って真藤君を見ると、泣きそうな顔と目が合った。




「……本当に、お人好しだな」


「……」


「それ、遠回しに俺の気持ちにも応えられないって言ってるんだろ?」


「そ、それは……」




図星をつかれて、動悸が正直に反応し始めた。