もう、悩んで立ち止まっている場合ではない。
あたしは残された課題にぶつかっていく強い意思を抱きながら、先生と目を合わせた。
決意を感じ取ったらしく、先生の目にも意思が宿る。
「…そう、知ってたのね。実は先日、学校にも特待生の話は来ていてね。
話によると、この学校で特待生の話が来ているのはあなた達二人だけみたい」
「…そうですか」
それがどういう意味であるかなんて、嫌でも想像がつく。
どうやらあたしが辿り着いたラインは、かなりハイレベルな場所らしい。
「こんなことを言ったら、プレッシャーになるかもしれないけど……。私、二人には期待してるの。自分達は気付いていないだろうけど、本当に素敵なピアノを弾く子達だから」
先生は険しさの中に優しさを込めた表情でそう言った。
期待され、そして心から応援されているのが伝わる。
「ありがとうございます。あたし、頑張ります。先生の期待に応えられるように」
プレッシャーを感じていないと言ったら、嘘になるだろう。
でも、口から出た言葉が嘘というわけでもない。
みんなが応援してくれたから。
みんなが協力してくれたから。
あたしは、ここまで進んでくることが出来た。
だから、精一杯頑張って期待に応えたい。
それがあたしの……恩返し。



