◇◆◇◆◇
「――そう。お母さんに受験のこと、許してもらえたのね」
「はい!」
次の日の放課後。
職員室には喜びの声が控えめに響いた。
昨日の午後に学園長が来て特待生の話をされたこと、お母さんに東條学園への受験と夢を認めてもらったこと。
その二つの話を鈴木先生に話したら、子供みたいに感情を表情に表して喜んでくれたんだ。
「ずっと許してもらいたくて頑張ってたんだものね…。佐奈ちゃん、本当に良かった!」
「ありがとうございます!
…あたし、先生には本当に感謝しているんです。学校のピアノを貸してくれることにも、協力して下さって…」
「そんなの全然構わないわ。
生徒にとって一番良い道を選ばせてあげるのが、私達教師の仕事だもの」
「先生…。本当にありがとうございます!」
穏やかに笑ってくれる先生に、あたしは満面の笑顔を返した。
鈴木先生には、本当に感謝してる。言葉では表せられないぐらい。
…思えば、最初から先生はあたしの夢を手伝ってくれていた。
初めて学校で弾いたピアノを聞かれてしまったあの日から、あたしをここまで導いてきてくれたんだ。



